日本人の母とイギリス人の父を持ち、大学を中退して作家を目指すニキ。彼女は、戦後長崎から渡英してきた母・悦子の半生を作品にしたいと考える。

娘に乞われ、口を閉ざしてきた過の記憶を語り始める悦子。それは、戦後復興期の活気溢れる長崎で出会った、佐知子という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出だった。

初めて聞く母の話に心揺さぶられるニキ。だが、何かがおかしい。彼女は悦子の語る物語に秘められた<嘘>に気付き始め、やがて思いがけない真実にたどり着く──。


文学の森、2025年9月からのテーマ作品は……カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』(ハヤカワepi文庫/小野寺健訳)を読みます。Amazonはこちら



ノーベル賞を受賞したカズオ・イシグロの、すべての出発点ともいえるデビュー作。戦後の長崎とイギリスを舞台に、「記憶」と「喪失」、そして「語られないこと」をめぐる、静かながら心揺さぶる物語です。

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今年9月5日には、広瀬すずさん主演で映画が全国ロードショー。
監督は映画『ある男』でもお馴染みの石川慶さんです。

戦後80年の節目を迎えた今こそ読むべき名作を、映画との比較も楽しみながら読み深めていきましょう📚