この「文学の森」には、ほぼ毎日訪れる方、気が向いたときにふら〜っと立ち寄られる方、もしくは、月に1回だけ、ささっと覗かれる方など、色々な方がいらっしゃいます。

そんな森にはどんなメンバーの方々がいらっしゃるのか?
実態を知るべくアンケートを募ってみました。✏️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️️


ご回答にご協力くださった皆さま、大変ありがとうございました!嬉しいコメントも、ガツンとくるコメントも、運営管理者のふたりで読ませていただきました。

リクエスト内容については岡崎くんが別途お答えしてくれる予定ですが、今回の投稿では、みなさんの読書傾向をご紹介いたします。📚

それでは、まいります!

Q1. 普段、どれくらいのペースで本を読みますか?
(波があると思いますので、大体でお答えください)


1問目は、読書習慣についてのお尋ねです。結果は…

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「文学の森」という場の性質上、「本を全く読まない」という方はいらっしゃらず、「2週間に1〜2冊程度」(51%)とご回答された方がほぼ半数を占める結果となりました。次いで、同率2位に「1週間に1〜2冊程度もしくはそれ以上」(21%)、「1カ月に1〜2冊程度」(21%)が並び、最後に「3カ月に1〜2冊程度」(7%)でした。

少し前の調査になりますが、平成30年度の文化庁の「国語に関する世論調査」(対象は全国16歳以上の男女1,960人) によれば、1カ月に読む本の数で最も多かった回答は「読まない」47.3%、次いで「1〜2冊」37.6%、「3〜4冊」8.6%、「5〜6冊以上」の方が6.4%だそうです。

対して、森では、1カ月に「2〜4冊」読む方が半数を占めるということは、「1〜2冊」読む方が多数を占める文化庁調査結果と比べると、本を読む方の中でも、森の方々は、ちょっと読む量が多めということがいえそうです。

私も普段であれば1週間に1冊くらいのペースで本を読みますが、もちろん、その時に読んでいる本の種類や厚さ、気分や予定におおきく左右されるので、結局のところ、読書が日常になっていればそれでいいなぁと思っています。ですが!読めていない時には 「他の方はすごく読んでいて…いいな…」とソワソワ周りを見渡してしまう気持ちもわかります、でもせっかくの読書時間、その本の世界に集中してどっぷり楽しめたら、と今一度思いました!

Q2. 普段、どのような小説をよく読みますか?


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*アンケート配布時は「エッセイ」等、小説以外を選択いただく項目がありましたが、本記事内では、小説に限り、結果をまとめています。

「国内の現代作家の小説」(36%)が最も多く、次いで「国内の近代・近代以前の作家の小説」(25%)、残る「海外の現代作家の小説」(20%)、「海外の近代・近代以前の作家の小説」(20%)が同率3位でした。

単純計算で足し上げると、「国内作家の小説」61%、「海外作家の小説」40% ということで、国内作家の小説を読んでいる方が多いようです。現代作家か近代・近代以前の作家か、という点については、56%・45%と、国内・海外よりは差が少ないですね。

やはり平野啓一郎さんのような国内の現代作家の小説を読んでいる方が、今の「文学の森」には多いようです。

さて、次の設問では、「これから」どんな小説を読んでいきたいか、を見てまいりましょう。

Q3. これから、どのような小説を読んでいきたいですか?


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これが見事に、均衡の取れたグラフになりました!
僅差ですが、1位は「国内の近代・近代以前の作家の小説」(28%)、2位は「海外の近代・近代以前の作家の小説」(26%)。国内外問わず「近代・近代以前の作家の小説」をもっと読みたい という結果でした。

これまで「文学の森」で扱ってきた作品を当てはめると、森鴎外『舞姫』やレフ・トルストイ『アンナ・カレーニナ』のような作品ということになります。
なるほどなるほど… 名前はもちろん知っていて名著とされるけれど、実は読んでいない… という作品は結構ありますよね。この結果は今後の課題作選定に反映できればと思います!

Q4. あなたの気持ちに近いものを教えてください


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最後の設問について、最も票を集めたのは「もっと丁寧に1冊の小説を味わいたい」(19%)でしたが、なかなか、回答はバラけていました。この結果からは、「文学の森」に集まってくださる方々も求めることは色々、というふうに言えそうです。

ちなみに、選択肢を考えた私は殆どの選択肢を「そうそう」と勢いよくクリックしてしまいそうですが、「もっと小説のことを好きになりたい」が結構上位になるのでは? と思っていたので、その点が予想に反していました。
「もっと丁寧に1冊の小説を味わいたい」という項目への投票が多かったことは、コスパならぬ「タイパ」(時間対効果を意味するタイムパフォーマンス)というワードが聞こえ出した中で、逆行するように、ゆっくり時間をかけて多方面から1作を味わいたい、という気持ちの現れだと思います。それこそが、2、3カ月かけて一作を読み進める、この「文学の森」の意義なのだろうなぁと思います。
この森は、インターネットの場が基本になりますが、ここだけは、ちょっとゆっくりした空気が流れているような水辺になれたらと思っています。

冒頭の通り、この「文学の森」にいらっしゃる方は、この森と、それぞれの方にとって心地よい付き合い方をされていますし、色々な嗜好の方が全国各地から、海外からも10人くらいの方がご参加くださっています。🌍

当たり前ですが、好きな作家もそれぞれ、読んでいる本もばらばら。全ての人の『こんな「文学の森」がいい』を満たすことは難しいと思います。

でも、その中で、これは共通しているよね、というところを見出して、これからも、いろんなみなさんの気持ちを満たしたり刺激したりできる森に育てていければと思います。


というわけで、まずは、実態調査結果のご報告でした!
また、1年後に同じアンケートを実施したら傾向が変わりそうですよね。私たちも森の環境づくりに努めますが、自生する傾向も強いと思いますので、森のこれからを、みなさま、引き続きよろしくお願いいたします。

記載いただいたアンケート結果をもとに、岡崎くんと「文学の森」パワーアップ施策を検討していますので、そちらはまた後日、お知らせいたしますね。(施策には大小あり、一つずつは些細な変更かもしれませんが、一つずつ積み上げてまいります)