『饗宴』は、「愛とは何か」を語る"飲み会"だった? 世界最古にして最高の「恋愛論」!

なぜ男は女を求め、女は男を求めるのか?    愛の神エロスとは何なのか?    悲劇詩人アガトンの優勝を祝う"飲み会"に集まったソクラテスほか6人の才人たちが、即席でエロスを賛美する演説を披瀝しあう。プラトン哲学の神髄ともいうべきイデア論の思想が論じられる対話篇の最高傑作。


文学の森、2025年5月からのテーマ作品は……プラトン『饗宴』(光文社古典新訳文庫)を読みます。Amazonはこちら



「古今東西の世界文学を読む」ことがコンセプトの、文学の森。

しかし、あらためて過去のテーマ作を振り返ってみると、もっとも古い作品はトルストイ『アンナ・カレーニナ』で、それでも1875年の発表なんです。

「古今東西」と言いながら最古が19世紀というのは、いかがなものか!?という問題意識を平野さんに相談してみたところ、「プラトンの『饗宴』はいかがでしょう?」と提案をもらいました。

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平野さん曰く、「『饗宴』は、哲学史の古典的名著という荘厳なイメージがあるが、読んでみると、現代人にとっても身近な話題がたくさんあって、面白い」とのこと。

そして、「プラトンの思想はいろんな人によって引用されるから、この本を読んでおくと、他の読書にも役立つ」のだそう。

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紀元前400年のギリシャを舞台とする作品ですので、時代の隔たりにハードルを感じてしまいがちですが、『饗宴』を簡単に言ってしまえば、「古代ギリシャの哲人たちが集まって、お酒を飲みながら"愛ってなんだろう?"と語り合った会」のこと。

そして、時代の距離を感じさせないのが「光文社古典新訳文庫」の素晴らしさでもあります。あまり構えすぎず、一緒にトライしていきましょう!

【今後のイベントスケジュール予定(仮)】
5月17日(土)11:00〜12:30    『饗宴』を語るメンバー読書会
5月30日(金)19:30〜21:30    平野啓一郎が一人で『饗宴』を語る回
6月20日(金)19:30〜21:30    ゲストと『饗宴』を語る回